自主返納

高齢者事故ヒヤリ

運転免許の自主返納における5つのメリット・デメリット

自主返納におけるメリット・デメリット

認知能力の低下がもたらす、高齢者による自動車事故が社会問題化している現在、自分自身やご家族が運転免許の自主返納に興味があるという方は実は多いと思います。
とはいえ、やはり「自主返納」はとても大きな決断になります。十分な情報収集が必要になってきます。そこで「自主返納」におけるメリット・デメリットをまとめてみました。「自主返納」を決断する際のご参考にしていただければ幸いです。
メリット
1 「運転による交通事故を起こすリスクがなくなる」
2 「自主返納により様々なサービスが受けられる」
3 「家族とゆっくりと会話しながら移動できるようになる」
4 「運転経歴証明書が永年有効な公的身分証明書として利用できる」
5 「車を手放すことによる経済的な負担減」
デメリット
1 「運転ができなくなる」
2 「交通手段が減る」
3 「自信喪失につながる」
4 「家から出なくなってしまいそう」
5 「手続きが面倒そう」
これだけではありませんが、まずはこのようなメリット・デメリットが考えられます。
まずはメリットから考えて行きましょう。

メリットは多数。安全や経済的な負担減も

1「運転による交通事故を起こすリスクがなくなる」

当たり前といえば当たり前ですが、これは重要な前提です。加齢によって認識能力・判断力が衰えていくことは誰しも同じこと。今まで事故をしたことがなかったが、擦ってしまったりあやうく赤信号を見逃しそうになったりしたことはありませんか?
加齢により事故のリスクは確実に高まりますので、「運転ができない」ことによって悲劇的な自動車事故を防ぐ事ができます。

2「自主返納により様々なサービスが受けられる」

高齢者による事故が増えていく中で、運転免許の「自主返納」を促す機運は次第に高まってきています。そのため国や自治体、民間を問わず様々な『自主返納特典』が用意され、その数はどんどん増えてきています。例えば鉄道のフリーパスやレジャー施設の割引、商品券、定期預金の特別金利など多岐にわたります。詳しくは別記事をご参照ください。

3「家族とゆっくりと会話しながら移動できるようになる」

自動車を運転しながらの会話。もちろん誰しもができることですが、それによって注意力が低下するのも事実。高齢ドライバーにとっては命取りになりかねません。「自主返納」によって他の人に運転してもらうライフスタイルが定着すれば移動の際も会話や流れる景色をゆっくりと楽しめます。

4「運転経歴証明書が更新等無く永年有効な公的身分証明書として利用できる」

意外と知られていないことですが「自主返納」と同時に申請できる『運転経歴証明書』というものがあります。こちらは永年有効の公的証明書で免許証にそっくりなもの。身分証明書として一番活用されている免許証と同等に扱われます。こちらを取得すれば「自主返納」すると身分証明書がなくなるという心配もありません。自主返納から5年以内なら申請して取得することができますが、同時に申請するのが望ましいでしょう。

5「車を手放すことによる経済的な負担減」

こちらも当然のことですが、車の維持費というのはかなりの出費です。駐車場代・ガソリン代・税金・車検料など枚挙に暇がないほど。これらのコストの一切がかからなくなるのは非常に大きなメリットです。
年間平均維持費は、JA共済調べによると軽自動車で38万2670円、コンパクトカーで44万4542円、ミニバンで50万1734円もかかっているそうです。
これを削減できれば、年数回の国内旅行や海外旅行も行けますね!
出典:JA共済 http://nedan.ja-kyosai.or.jp/column/20180216_other_no19.html

デメリットにも目を向けよう

1 運転ができなくなる

車に乗ることそのものが趣味という方も多いでしょうし、自身のライフスタイルの前提に車が必要ということもあるでしょう。その場合「自主返納」へのハードルはかなり高いものになります。

2 交通手段が減る

普段から公共交通機関しか使わないのであれば影響は少ないですが、車という足そのものが無くなっては困るという方にはなかなか厳しい決断といえます。大都市圏よりも郊外になるほどその影響は大きくなります。

3 自信喪失につながる

今までずっと運転に自信をもって来た方にとって「自主返納」を突きつけられるのは拠り所を奪われたとまで取られかねない事態です。周囲の人間が高齢のドライバーに自主返納を促す際には細心の注意が必要となってくるでしょう。

4 家から出なくなってしまいそう

今まで行けた場所に行けなくなるというのは大きな喪失感に繋がります。特に高齢者の場合はそのショックから家に閉じこもりになりがちです。それを防ぐためには家族が頻繁に外へ連れ出すなどの配慮が重要になってきます。

5 手続きが面倒そう

この点についてはそれほどのデメリットではないかも知れません。基本的には通常の免許更新と同様のスタンスで臨めば難しいことはありません。多くの都道府県では代理人による申請もできます。訪問して申請を受け付けてくれる手厚い対応をしてくれる県もあります。とはいえ、いずれの場合も事前に確認作業は必要になってきます。

まとめ

以上、メリット・デメリットについて解説してきました。

その上で申し上げたいのは、メリットはあるものの、利便性は確かに落ちるということ。

ここであげたデメリットを解消する言葉が、自主返納を説得するヒントになりそうですね。

ただしそれ以上に重要なのは『事故が起きてからでは遅い』という点です。

これだけ多くの悲惨な事故が起きている現状と向き合ったときに皆様がどう判断されるか、それはもちろん人それぞれだと思います。
ですが、それでも『事故が起きてからでは遅い』という言葉が皆様に届くことを祈っております。

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