自主返納

高齢者ヒヤリ

運転に自信があるからこその危険 

運転に自信があるからこその危険

「今まで一度も事故なんて起こしたことはない」、「運転なんて簡単」という方、周囲にいらっしゃいませんか? もちろん安全運転で技量に優れているというのは素晴らしいことだと思います。ですが、その自信がもしかすると危険を招くなんてことも……。特に高齢のドライバーは特に気をつけなければならない問題です。
実際に高齢ドライバーによる事故割合は増える一方であり、重大事故以外の物損事故も多くの割合で高齢者によるものが発生しています。

加齢による能力の低下は避けることのできないこと

ごく当たり前の話ではありますが、年を重ねるごとに運動神経や判断能力は落ちていきます。高齢のドライバーの方で運転慣れしていて自信があるほどその観点から目を背けてしまいがちです。
「自分はまだ大丈夫に決まっている」、そう思ってしまうのも仕方のないことではありますが、運転する技能は少しずつ衰えていくものだという理解と認識が安全へと繋がるのではないでしょうか。
あのイチローや松井でさえ、引退前にはピーク時と比べ驚くほど打てなくなっていた事はご存知かと思います。
最近よく高速道路を逆走する事故のニュースを見かけませんか?
死亡事故にもつながる非常に危険なことですが、実は高速道路を逆走してしまうドライバーのうち約7割が高齢者なんだそうです。
これは相当に重みのある数字です。 事故が起こってからでは取り返しがつきません。
高齢者による逆走事故のほとんどは認知症患者によるものですが、特別に認知症の進んでいる人が事故を起こしているわけではありません。むしろ、家族が気づいていないレベルの認知症でも逆走事故を起こすことがあるのです。
私の父はアルツハイマー型認知症であり、それに気づいたのは離れて暮らしていた私でした。母は認知症だということに全く気づいていませんでした。なんで気づいたかというと、父が自分の歯ブラシどれだっけ?と私に聞いてきたからです。
普段一緒に暮らしている私にわかるわけがないし、母の歯ブラシはピンクの歯ブラシ、父のはブルーで考えるまでもありません。それなのに、そんな簡単な事が急にわからなくなっていたのです。
このレベルの認知症初期の人が、進入禁止のマークを見て理解できなかった場合どうすると思いますか?進入してしまうのです。だから恐いのです。
「自分はまだ大丈夫」ではなく、「自分の運転にはリスクがあるかも知れない」という考え方を持つことが大切です。

自分の運転が危ないかもと思ったら?

では自分の運転がそろそろ危ないと判断した場合、その後はどうすればいいでしょうか?
その答えの一つが「運転免許の自主返納」です。
免許があることによって運転せねばならない状況が生じる可能性があります。自分から資格を返上するというのはとても重く、難しい決断ではありますが、安全を第一に考えた場合やむを得ないことでもあるのではないでしょうか。

自主返納のメリットとは

そのまま免許の期限まで車に乗らずに過ごすという方法ももちろんあります。
ですが「自主返納」には様々なメリットがあるんです。
その一つが「運転経歴証明書」です。
これは公的な身分証明書として免許の代わりに利用できる免許証そっくりのカードです。場所や都道府県によっても違いますが、返納時に申請することで即日交付されます。しかも更新不要の無期限の身分証明書として利用できるのでかなり便利!
しかも様々な施設で割引などのサービスが受けられるというメリットもあります。都道府県ごとに行政による特典は様々ですが、バス料金の優待や、タクシー運賃の補助を出す県もあります。
中にはタクシーチケット2万円分!なんていう自治体もありました。
これ以外にも民間の施設での割引など、特典はかなり充実しています。最近の高齢のドライバーによる痛ましい事故の教訓から次第に「自主返納」を促すための取り組みは高まっていくことでしょう。

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